BtoBビジネスにおける昔ながらの営業手法である、
「新人営業は知識よりも熱意でアポイントをとって顧客訪問し、
ベテラン営業は懇意になった大手の上客から大きな仕事をもらう」という方法。
しかしそれは、一定の効果はあるものの、
「大変でムダも多くコストがかかるもの」としても知られています。
そのような手法の限界と、現在広がりつつある、新しいWEBマーケティング手法について解説します。
アウトバウンドマーケティングの限界
前述の「体当たり営業」「茶飲み営業」は、売り手が自社のサービスや製品を買い手のもとに届ける
「内から外へ」のマーケティング手法です。インターネットが一般化した後、
WEBにおけるマーケティング手法が数多く確立しましたが、
それらの多くは
・検索エンジンに入札してリスティング広告を出す
・メルマガで自社の製品のメリットを積極的に配信する
・アフィリエイト広告を出して不特定多数の目に触れさせる
など、つまり「とにかく製品の広告が目に入るよう積極的に露出をはかる」システムでした。
媒体が変わっただけで、本質的には体当たり営業やテレアポ営業と同様です。
このような手法は、現在では「アウトバウンド」と呼ばれています。
インバウンドマーケティングとは
WEBマーケティングの手法が多様化するに従って情報の受け手も変化し、
多すぎる情報をノイズと感じて広告そのものを嫌がるユーザが増えました。
・WEBサイトの本文に重なって表示され、ミスクリックを誘発させる広告
・画面の半分を占めるような大きすぎる広告
・色や動きで目立たせ、コンテンツへの集中を妨げる広告
など、悪質な押し付け型広告によってユーザに嫌悪感を抱かれるようになってしまったのです。
しつこい電話勧誘にうんざりして企業イメージが低下するのに似ています。
そこで発達したのが、「コンテンツファースト」に基づいた、顧客を引き寄せるマーケティング手法です。
===
1.オウンドメディア(自社のソーシャルメディアやWEBサイトなど)で顧客に役立つ情報を配信する
2.ユーザからの評価で.メディアやコンテンツの信頼性を高める
3.その業界におけるトップとしてのブランドを確立する
4.メルマガ配信登録などでコンバージョンを得る
===
従来型の、「内から外」のマーケティングに対し、検索によって訪れたユーザが積極的に顧客になりたがる
「外から内」のマーケティングとして「インバウンドマーケティング」と呼ばれます。
これからのBtoBビジネス
インバウンドマーケティングはアウトバウンド型WEBマーケティングと比べて、
成果を実感するまでに時間を要します。自社メディアを新人教育さながらに「育てる」必要があるためです。
しかし、もともと余裕のある大手企業が自社ブランディングのために行っていたオウンドメディア戦略とは違い、
ユーザーニーズを絞り込んだコンテンツの作成を行うことで、中小企業ならではのニッチトップを目指すことも可能です。
それによって現在、インバウンドマーケティングで大成功を収める中小企業が増えつつあります。
しかし、アウトバウンドが時代遅れの不要な手法となることはありません。
アウトバウンドとインバウンドの両方を自社のリソースや方向性に合わせて展開することが、
今後のBtoBビジネスで必要とされていくでしょう。
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