ソフトバンク孫正義社長が経営指針として掲げる「孫の二乗の兵法」。
孫子の兵法とランチェスター戦略を組み合わせて編み出されたと言われるこの考え方ですが、
多くの方が「難しい」と感じているようです。
そこで今回は、孫の二乗の兵法の触り部分をできるだけ分かりやすく解説します。
これを読んだから急に使いこなせる、という代物ではありませんが、
その概要を知ることで何かしらのヒントが得られるかもしれません。
ぜひ、参考にしてください。
孫の二乗の兵法とは?
理念 |道|天|地|将|法|
ビジョン |頂|情|略|七|闘|
戦略 |一|流|攻|守|群|
将の心構え|智|信|仁|勇|厳|
戦術 |風|林|火|山|海|
いきなりですが、上記の図が「孫の二乗の兵法」です。
それぞれの文字や段には意味があり、カテゴリーが分けられているというのが特徴です。
本来はここから一文字ずつの解説を行うのですが、それだとかなり長くなりますし意味も難解になりますので、
具体的な事例を今回はご紹介しましょう。
ボーダフォンの買収時
形態キャリア事業に参入しようとしたソフトバンクが、より成長速度を高めるために行ったのが、
当時業界第三位にいたボーダフォンの買収でした。
この際に用いられたのが「一」「闘」「攻」「厳」「火」です。
言葉に直すと、一位になるために、闘うための攻撃力を集め、社員に徹底的な厳しさを求める、
火のように激しく動いた、ということになります。
Yahoo!BBの顧客情報流出事件時
契約社員が暴力団にYahoo!BBの顧客情報を渡してしまったことにより起こったこの事件。
ソフトバンクは巨額の金銭要求を暴力団からされたのですが、これを拒否し警察へと通報します。
この事件後、同社が方針決定の助けにしたのが「法」「守」「厳」です。
会社を守っていくため、法となるような仕組みを整え、
セキュリティ担当社員へ厳しい対応を求める、といった意味になります。
このように、孫の二乗の兵法とは、会社の意志決定を行う際に何を行うべきか?
といったポイントを文字とカテゴリーによって示す経営指針です。
たとえば、新規の事業に臨む時。
「理念」の段にある「天(タイミング)と「将(優れた患部)」が揃っており、
さらに「ビジョン」の段の「頂(頂点のイメージ)」と「情(情報)」が手に入っていれば、
借金をしてでもそこへ投資をすべき、という判断になります。
それを踏まえ、「戦略」と「将の心構え」「戦術」を複合的に組み合わせながら経営を行って行きます。
そして大切なのは、それぞれの言葉の意味をしっかり把握することと、
それぞれのシチュエーションに合わせた選択をすること。
とは言え、そこが一番難しいのも事実です。
実際、孫正義社長自身が「まだ極みきれておらず、アップデートを重ねている」
ということですから、本当に奥が深いです。
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