「自社には素晴らしいサービスや商品があるけど、大企業と比べると規模の面でどうしても歯が立たない」
こうしたお悩みは、中小企業の経営戦略を練る方であれば誰でもぶつかる壁のひとつです。
しかし、圧倒的な不利な状況をひっくり返し、勝利をその手に収めた人物が、今よりもずっと前に存在しています。
それが、戦国時代の猛勇としても広く知られる織田信長、その人です。
今回は、織田信長が歴史的な大勝利を収めた桶狭間の戦いを、ランチェスター戦略にからめて考察していきます。
どうして織田信長は不利な状況で勝つことができたのか?
永禄3年5月19日。大名今川軍は2万の大軍勢を従え、たった2千の織田軍との戦いに臨みました。
その戦力差は10倍。
まるで勝ち目がないと思われたこの戦は、なんと織田軍の大勝利に終わります。
この時、織田軍が取った主な戦略というのが以下です。
・精鋭の2000騎を揃え、戦力を集中させた
・地形の利をたくみに利用した
・天候の悪化を見逃さず、すかさず攻めに転じた
・敵軍の当主を見事討ち取った
織田軍は、少数精鋭の軍を従え、天候の悪化と地の利を生かし、虚を突く形で今川軍へ攻め入ります。
そして当主を討ち取ることを第一目標とし、それを実行することで相手軍の士気を低下させることに成功。
その結果、10倍もの軍勢から勝利を勝ち取ることができたのです。
ランチェスターの法則の第1法則に当てはまる織田軍の戦略
前述の戦法は、実はランチェスターの法則の第1法則に当てはめることができます。
ポイントはなんと言っても精鋭の戦力を一点に集中させたところ。
そして、自軍の置かれている状況を的確に把握し、相手軍が十分なパフォーマンスを発揮できない環境に追い込んだことす。
織田信長は当時、ランチェスター戦略を知ることはなかったでしょう。
しかし、彼は感覚的な部分でこの理論理屈を理解していたのかもしれません。
さすがは、戦国時代の名将、といったところですね。
ビジネスでも見習う部分は大きい
桶狭間の戦いは現代で言うと、「大企業(今川軍)」VS「中小企業(織田軍)」に置き換えることができます。
つまり、経営資源の豊かな大企業に対し、圧倒的に不利な中小企業が戦いを挑んだ、という図式ですね。
そのため、中小企業が成功を収めるためには、まずは自社が置かれている状況を正しく分析することが重要。
そして、どこに何を集中させるかで、市場における差別化を図るのが大切になります。
織田信長が行ったランチェスター戦略は、こうしたヒントを私たちに教えてくれているのです。
どこの企業に向けて、どんな市場に、何の商品を、どんな優位性を持って売り込むのか。
企業戦略を考える際には、こうした点をぜひ意識してみてください。
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