「2位じゃダメなんですか?」
某議員のセリフが流行りましたね。
「ナンバーワンよりオンリーワン」と歌いあげるヒット曲もありました。
ランチェスター戦略では、市場シェアが1位のみを「強者」とし、
2位以下を全て「弱者」と定義します。つまり、2位であってもビリであっても、弱者は弱者ということです。
厳しい競争にさらされている昨今の市場環境の中では、オンリーワンよりナンバーワンを目指すべきです。
こうした戦略を説くのがランチェスター戦略なのです。
他社と差別化図れるニッチ市場でナンバーワン目指せ
ただし、ナンバーワンになるべき市場は、ニッチなものでも構いません。
メジャーな市場は、資本力にまかせたローラー作戦で大手がほとんど占有しているものです。
むしろ、他社と差別化が図れるニッチ市場のほうが、資本力のない中小企業には向いています。
アイスクリームの『プレミアム』というハーゲンダッツの戦略
ランチェスター戦略のスタディーケースとしてよく取り上げられるのが、アイスクリームのハーゲンダッツの戦略です。
ハーゲンダッツといえば、高品質なプレミアムアイスクリームのブランドとして知られています。
アイスクリーム市場全体では、スイスのネスレなど競合がひしめいていますが、
プレミアムアイスクリームというニッチなカテゴリでは、市場はほぼ独占状態です。
また、ネスレのような業界の巨人とハーゲンダッツの戦略が異なる点は、
同じ食品カテゴリでもヨーグルトなどにブランド展開をして多角化を進めることなく、
アイスクリームに特化している点です。
その結果、「プレミアムアイスクリーム」といえば真っ先にハーゲンダッツがイメージされ、
他の商品より少し割高でも消費者に購入を促す動機づけとなっているのです。
まさに、ランチェスター戦略の「No.1主義」「一点集中主義」を体現しています。
ドラッガーもランチェスター戦略も「一点集中主義」
経営戦略の古典として、経営者に根強い人気があるドラッガーも、
ランチェスター戦略と通じる部分があります。例えば、
「成果をあげるための秘訣を一つだけあげるならば、それは集中である。
成果をあげる人は最も重要なことから始め、しかも一度に一つのことしかしない」
という部分はまさに、ランチェスター戦略の説く「一点集中主義」と同じです。
成果をあげる人や企業は、あれこれと手を出したりせずに、やるべきこと、やったほうが良いことに一点集中する。
ドラッガーもランチェスター戦略も、集中することの大切さについて説いているのです。
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