日本で一番高い山といえば、言わずと知れた富士山です。
これは外国人ですら知っていることです。
でも、2位の山といったら?――答えは、南アルプスの北岳(標高3,193m)なのですが、
さっと答えられる人がどれくらいいるのでしょうか。これが、1位と2位の差です。
ランチェスター戦略では、市場シェアが1位のみを「強者」とし、
2位以下を全て「弱者」と定義します。
1位でなければビリと同じ。
厳しいようですが、昨今のビジネス環境ではこれが現実である場面が多々あります。
「やらない決断」がNo.1につながる
ランチェスター戦略で説く、No.1になるための戦略のひとつに、「一点集中主義」があります。
自社の強いエリア、自社の強い顧客、自社の強い商品と、自分たちがNo.1になれそうな市場を見つけたら、
あれこれとほかに手出しをするのではなく、その分野に経営資源をすべて集中させるべきだということです。
まさに、「やらない決断」です。
会社の安定のためには多角化を進めるべきだという考え方もありますが、
資金や人材など、経営資本に乏しい中小企業ほど、あれこれと手を出すと失敗するもととなります。
あの伝説の経営者もランチェスター戦略だった!
例えば、アメリカの大企業ゼネラル・エレクトリック(GE)のジャック・ウェルチをご存知ですか。
経営戦略を学ぶときに必ず引き合いに出るほどのすぐれた企業家で、その手腕から「伝説の経営者」と呼ばれています。
GEは世界最大のコングロマリット企業で、航空機のエンジンから医薬品、鉱山、金融まで幅広い事業を手掛けています。
彼は、日本の経営者にも人気があるドラッガーの信奉者としても知られており、
GEの総帥として「世界で1位か2位になれない事業からは撤退する」と主張していました。
これはランチェスター戦略でいうところの「No.1主義」です。
その結果、ジャック・ウェルチはGEの経営改革に成功し、20世紀最高の経営者と呼ばれるようになったのです。
No.1にこだわるべき理由
No.1にこだわるべき理由は、市場シェアが圧倒的ナンバーワンになれば、
製品に対するブランドイメージが確立でき、それだけで消費者が購入する際の動機づけになるからです。
あなたが買物をするとき『全く知らないメーカー』と『業界トップメーカー』が同じ値段ならどちらを選びますか?
ナンバーワンになれば、マーケットでの価格決定権も握ることができ、利益も得やすくなるのです。
「やらない決断」は時に厳しい
「やらない決断」をとることは、時に、何か新しいことをはじめるよりも難しいこともあります。
でも、それこそがNo.1になるための近道でもあると、ランチェスター戦略は説いています。
「2位じゃダメ?」
「1位以外はビリと一緒」です。
ビジネスで圧倒的な収益を寡占できるのは「ダントツの1位」です。
あなたの勝てる領域でトップを狙って下さい。
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