ランチェスター戦略は、第一次世界大戦の頃、
イギリス人のエンジニアF・W・ランチェスターが提唱した軍事理論です。
その後、経営戦略に転用されて、日本ではこちらの方で広く知られています。
この記事ではランチェスター戦略の核となる『3つの結論』について紹介します。
No.1になるための戦略その1
No.1主義
ランチェスター戦略では、その市場においてNo.1になることを目指します。
市場シェアが1位のみを「強者」とし、2位以下を全て「弱者」と定義します。
No.1であれば、ニッチな市場でも構いません。
むしろ、一般的な市場は圧倒的な資本力をもつ
大手市場に占有されていることがほとんどですから、
彼らが手を回せないニッチ市場から切り込んでいくことが、
「弱者」である中小企業がとるべき戦略です。
オンリーワンよりナンバーワンを目指しましょう。
No.1になるための戦略その2
一点集中主義
自社の強いエリア、自社の強い顧客、自社の強い商品と、
自分たちが戦うべき市場を設定したら、そこに経営資源を集中させて強みを伸ばしていきます。
「弱者」がNo.1になるためには、勝ち目のある市場を選び、絞り込んでいくことが大切になります。
「事業多角化」とはいいますが、体力のない中小企業があれもこれもと手を広げるのは、失敗のもとです。
事業を行っている以上、強みがないということはありえないでしょう。
「わが社には特色がなくて……」という人は、自分たちでは気づいていないだけかもしれません。
必ず何かしら得意分野やNo.1になれそうな市場は見つかるものです。
No.1になるための戦略その3
「足下の敵(そっかのてき)」攻撃の原則
No.1になりたいからといって、勝ち目のない相手にやみくもな戦いを挑んでもムダになることが多いものです。
ランチェスター戦略では、「勝てない敵とは戦わない」というのが3つ目のルールになります。
勝てない相手ではなく、自分たちより格下で勝ち目のある相手を徹底的に攻撃します。
そのほうが、いつのまにかその市場でNo.1になっている可能性が高くなります。
iPhoneもランチェスター戦略だった!
iPhoneの生みの親であるスティーブ・ジョブズの戦略も、
ランチェスター戦略に重なる部分があります。
アップルが1998年に出したメッセージは、
“Think Different.”(シンクディファレント)「何か違うことをしよう!」。
パソコン事業でシェアをとれなかったアップルがとった苦肉の策が、
iPhoneでありiPadにつながり、他社との圧倒的な差別化につながることとなったのです。
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